滋賀/太平観音堂 『円空仏・魅惑の微笑み』

円空仏をお祀りする太平観音堂は、岐阜県と滋賀県の県境にあたる伊吹山の麓にあり、滋賀県米原市にあたります。

観音堂と言うよりは新しい民家のような佇まいのこの建物の中に、円空作・180cmの十一面観音さまがいらっしゃるようです。


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管理の方に鍵を開けていただいて中へ入ると、お座敷の奥でガラスケースに入った円空仏を発見!みんな揃ってすぐさま仏の前に直行です!

「大っきい!」「細い!」

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単純ですが、第一印象はそう感じました。円空さんの仏さまは小柄であるという勝手なイメージがあったので、予想以上に大きなお姿でした。

観音さまを皆で囲み、じーっと見つめていると、ローカル番組で太平観音堂が紹介された時の映像を管理の方が観せてくれました。

元は伊吹山の中腹にあった太平寺のご本尊であったそうです。江戸期まで伊吹山は修行の場であり、美濃で生まれた円空も伊吹山で修験の道に入ったと伝えられています。円空とこの土地は大変関わりが深いようですね。

十一面観音さまにはいくつかの特徴がありました。

ひとつはポッコリと出たお腹で、お腹の部分だけやや光沢感があります。これは、安産の仏として人々にさすられた跡だといいます。

そして、このウロコの様な下半身は伊吹山の水神信仰の表れと言われているそうです。

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それから、このニッコリと微笑んだ表情は、洪水で流されてしまった母が、幼い円空に見せた最期の笑顔であると言われているんだとか。。。

わたしはこのお話を聞いて、もしかしたらウロコの様な衣の表現も、水に流され亡くなったお母さんと何か関係があるのではないか…と想像を掻き立てられました。

わたしにとってこの十一面観音さまの微笑みは、単に癒されるという感覚ではなく、どちらかと言うと不可思議な微笑みに感じられました。幸せ円満の微笑みではないような…


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なので「亡き母の微笑み」というのが妙にしっくり来て、観音さまのお顔を見れば見るほど、だんだんと悲しげな微笑みへと変わっていく様に感じました。

後面には和歌や漢詩の墨書きがあり、回転式の台座をクルっと回して直接観る事ができました。墨書きを観ても解読する事はできませんが、円空が仏を彫るスピードが分かる唯一の像だそうです。

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なんと、こんなに大きな十一面観音さまを桜の木を刻んで仕上げた期間はたったの4日!凄い!

わたしは今まで、円空仏の簡素化されたデザインと荒々しく斬新な仏の姿を受け入れられなくて、あまり興味を持った事がなかったのですが、今回の旅でこの十一面観音さまに出会い、円空が生み出す仏の魅力に気づく事ができたと同時に、円空という人物をもっと知りたくもなりました。

素敵な仏さまに出会えて感謝です!



※こちらは、2011年7月に更新された記事ですm(._.)m


《太平観音堂アクセス》
住所:〒521-0314 滋賀県米原市春照658−4
JR近江長岡駅からバス「ジョイ伊吹」下車徒歩約10分
拝観料:300円





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滋賀/善水寺 『圧巻の仏像たち』

JR草津線白子駅から三雲駅へ。
駅の近くで食事を済ませタクシーで善水寺へ向かいました。

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今回の旅は「欲張りな見仏をせず、一ヶ寺ずつゆっくり拝観する!」が、コンセプト。いつもは怒涛のスケジュールで、常に時間に追われながらお寺巡りをしていたので(笑)今回の様なのんびりとした旅は新鮮でした。

善水寺は湖南三山のひとつ、その他の長寿寺・常楽寺は次回のお楽しみとしてとっておく事にします。

国宝の本堂をはじめ、元三大師堂、観音堂、六社権現社などの諸堂がありますが、織田信長の比叡山焼き討ちの3日後に善水寺が焼き討ちに遭い、本堂や六社権現社などを残し全焼。
その後に再建されています。


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善水寺には、とにかく沢山の仏さまがいらっしゃると聞いていたので、期待を膨らませ本堂へ入ります。

すると、3m以上あるであろう阿吽の金剛力士さまが…どーん!!
本堂の中に金剛力士さまがいらっしゃるのはちょっと違和感がありますが、善水寺の仁王門は昭和に入り大雨で流れてしまったそうです…

拝観料を支払い、本堂内陣へと進みます。

ご本尊こ薬師如来さまは秘仏となっています。ご開帳の時期は決まっておらず、最近では52年振りの2001年にご開帳されています。もちろん次回のご開帳も未定とのこと。

薬師如来さまが収められた厨子の脇には、平安時代の日光、月光菩薩さまと思いきや…梵天、帝釈天さまです。
そして、さらに同時期の四天王さまと鎌倉時代の十二神将さまもいらっしゃいました。

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写真はポストカードから

特に四天王さまは綺麗な彩色が残っており、創建当時の煌びやかな姿が想像できるお像です。四天王さまにお会いすると、必ず気になるのがムギュッと踏まれた邪鬼の存在。それぞれの邪鬼にオリジナリティーがあり表情が様々。今回も邪鬼には存分楽しませて頂きました(笑)

お寺の方の説明が終わり、ついに魅惑の裏側ゾーンへ進みます。

「うわぁーー!」

裏側ゾーンは横一列に10体ほどの仏さまが並んでいました。

持国天、増上天
不動明王
兜跋毘沙門天
聖観音
阿弥陀如来
釈迦如来
誕生釈迦仏(5月5日の花祭りに合わせ1週間ご開帳される)

そして、その誰よりもオーラを放っておられたのは僧形文殊菩薩さまです!文殊菩薩と言えば、獅子に乗った菩薩のお姿が多いのですが、こちらは僧侶のお姿をした珍しい文殊菩薩さまです。

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僧形文殊菩薩像と言えば、昨年10月に京都の法金剛院でお会いしたのを思い出しました。
善水寺の僧形文殊菩薩さまの方がややリアルな表現で、その悲しげなお顔の表情、深く刻まれたシワなど…わたしはこのお像の前で釘付けになってしまいました。お姿を見ていると、次第に僧形文殊菩薩さまと同じ様な顔の表情になってしまいます(笑)眉間にシワを寄せてずっと見つめていたのでした。。。

本堂を出た後の第一声が『善水寺スゴイ!』でした(笑)

でも、これは冗談ではなくて素直な感想です。建物や仏像も素晴らしいのですが、それだけではない魅力がたくさんありました。何とも言葉に表せない魅力が…とにかく凄いんです。

本尊の薬師如来さまがご開帳したらどんだけスゴくなっちゃうのか!
しかし…生きてるうちにご開帳はあるのかな…


※こちらは、2011年1月に更新された記事です(^人^)

《善水寺アクセス》
住所:〒520-3252 滋賀県湖南市岩根3518
TEL:0748-72-3730
R草津線「甲西駅」下車 バス 11 分 岩根バス停下車徒歩10分
JR草津線「甲西駅」下車 車 10 分
拝観料:500円




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滋賀/阿弥陀寺 『荘厳厳粛な阿弥陀仏』

檪野寺から歩いて3分ほどで阿弥陀寺に到着。

阿弥陀寺は予約拝観もしておらず、ご住職がいる時のみ本堂の拝観が可能で普段は本堂正面に鍵がかけられています。お正月は檪野寺のご開帳があるので、もしかしたらいらっしゃるかも知れないと思い訪ねてみる事にしました。

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「浄土宗阿弥陀寺」「本尊国宝阿弥陀如来」レンガ造りで学校の門のような入り口。

本堂の左手に寺務所があり、勇気を出してインターホンを押します。するとご住職の奥様らしき人が出てきて、名前とどこから来たのかを尋ねられました。すると奥様が本堂の鍵を開けてくださり中へ…!

本尊の阿弥陀さまに手を合わせご挨拶をしていると横からご住職がいらっしゃいました。
「いやぁ~こんな田舎まで来てくれて…」と、とても歓迎ムード。ご住職のひと言で一気に緊張が解けました。

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写真はコピーを頂いた資料から。

この阿弥陀さまは国の重要文化財で平安時代の一木造り。
像高は109,1cm、小さめの観音菩薩さまと勢至菩薩様を脇侍に従えた阿弥陀三尊像となっています。

阿弥陀さまはそこまで大きな像ではないのですが、脇侍が小さめのせいか大きなお姿に見えました。塗箔は剥離して体が黒く、唇に残る朱色とのコントラストが美しい阿弥陀さま。丸顔のお顔は優しく見えるか厳しく見えるか…?

わたしには厳しいお顔に見えました(^_^;)

阿弥陀寺にはその他にも様々な仏さまがいらっしゃいます。
本尊と同じ平安時代の聖観音さまと薬師如来さま。

そして注目すべきは白鳳~天平の誕生釈迦仏。


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誕生釈迦仏は、お釈迦様が生まれてすぐ右手を高く上げ、左手を下に指して、「天上天下唯我独尊」と述べたお姿。東大寺の誕生釈迦仏が最も有名ですが、こちらの誕生釈迦仏も同じくらい古い像とのことです。
「天上天下唯我独尊」というよりは「こらっ!」と言っているような愛嬌のあるお姿です。

ご住職のお話によると、伊勢神宮から奈良の平城京へ行く道のり沿いに阿弥陀寺があるため、その昔奈良から伝わって来たと言われているそうです。したがって、湖南地方には奈良から直接流れて来た仏像が多いと言います。

お茶を頂きながら、色々なお話を聞きました。釈迦の教えで興味深かったのは「知らないで良い事をするよりも、知ってて悪い事をする方が良い」というもの。いかに知っているかが重要で、知らないと言う事は悪い事をしかねない…というお話。

観点が違うと色々な考えがあるんだな…と思いました。

そんなありがたいお話を1時間近くしているとご住職が
「確か電車が12時36分だから、油日駅まで乗せてってあげよう」と、、、、!!!!

なんと!!昨日に続きまた…本当に新年から感謝しなくてはならないことばかり。
ちょうど人は縁で繋がっている…というお話をして頂いたところだったので、ご住職の親切さに感動の涙が出そうになりました。今年は絶対に絶対に良い年になるはずです!



※こちらは、2011年1月に更新された記事です(^人^)


《阿弥陀寺アクセス》
住所:滋賀県甲賀市甲賀町櫟野1173
TEL:0748-88-3721 
JR草津線「油日駅」下車 徒歩 50 分
拝観料:志納



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滋賀/擽野寺 『日本最大坐像十一面観音菩薩・ご開帳』

檜尾寺から甲賀駅まで戻り、タクシーで擽野寺に向かいました。
10分程で到着です!

擽野寺には日本で1番大きい十一面観音さまがおり、元旦から三日間特別拝観を行っています。

参道には無数の石仏群、よく見ると全て十一面観音さまです。


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そして山門には立派な仁王像。

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何やら境内には相撲の土俵がありました。この土俵は、1200年前坂上田村麻呂が鬼退治をする際に、擽野寺のご本尊十一面観音さまに祈願をし、成功した御礼に家来達に相撲を取らせ奉納したと伝えられています。


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ご開帳中のご本尊は本堂の奥にある宝物館にいらっしゃいます。「日本最大坐像十一面観音菩薩」…一体、どれだけ大きいお姿なのでしょう!?

宝物館に入るや否や、思わず「うお〜っ!」
と、驚きの声が出てしまいました。とても大きな十一面観音さまが、巨大な厨子の中で坐ってらっしゃる!

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写真はポストカードを撮影したものです。

像高は312cm。
目鼻立ちがはっきりとしたお顔立ちで、マダムのような大人の妖艶さも感じられる表情…左手には華瓶、右手には念珠を持っていますが、その持物だけでも大きくてとても迫力があります!

この十一面観音さまは平安初期ごろの作ですが、これだけ大きな像が立木のまま彫られた一木造と聞いてさらに驚きました。左脇には薬師如来坐像さま(222cm)、右脇には地蔵菩薩坐像さま(118cm)がおられますが、ご本尊があまりにも大きいのでやや小さく見えてしまうほどです。

擽野寺は平安仏の宝庫で、他に毘沙門天、聖観音、吉祥天、釈迦如来、弥勒仏、など合わせて約20体の仏像が安置されており仏ボリューム満点です。

宝物館を一周し、最後にもう一度大きな十一面観音さまの前に立ちます。
大きい事は分かっていても、やはり実際見てみると…想像よりも大きい…

最後は「よく来てくれたわね。」と、わたしを見下ろしながら言っているかの様に見えました。




※こちらは、2011年1月に更新された記事です(^人^)


《擽野寺アクセス》
住所:〒520-3412 滋賀県甲賀郡甲賀町大字櫟野1359
TEL:0748-88-3890
JR油日駅徒歩35分
JR甲賀駅より櫟野観音行きバス「観音寺前」バス停下車すぐ
タクシー約10分

拝観料:500円(特別拝観期:800円)
特別拝観:1月1日〜1月3日、4月18日〜5月第2日曜日




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滋賀/檜尾寺 『美仏・千手観音ご開帳』

お正月見仏2日目は、伊賀から滋賀県の甲賀へ向かいます。

※こちらは、2011年1月に更新された記事です(^人^)


甲賀駅前の忍者はまだクリスマス使用でした…

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甲賀駅から目指すのは、お正月のご開帳を行っている檜尾寺(ひのおじ)です。駅から歩いて10分ほどのところにあります。

昔はこの辺りまでの大きな伽藍だったのか、畑の真ん中に立派な鳥居が立っていました。周りが畑の平地であるせいかとても大きな鳥居に観えました。

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檜尾寺は、明治維新の廃仏毀釈まで檜尾神社の別当院として栄えていたらしく、今でも仲良く檜尾神社と隣接して建っていることから、神仏習合の名残が伺えます。

天台宗の寺院で、開祖は最澄。当時は「火尾寺」という名前だったそうですが、後の再建と同時に現在の寺名に変わったそうです。今でも隣接する檜尾神社には、最澄が大蛇を鎮めたという伝説が残っており、火の防や方位除けのご利益があるとされています。

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仏像は本堂ではなく収納庫で安置されていますが、盗難防止のため、ガラス張りを覗き込んで拝観する形式になっているのが残念でした。。。

本尊は木造千手観音立像で国の重要文化財に指定されています。像高178.5cmと等身大の像で、わたしが勝手に想像していたものよりも大きく、見た瞬間びっくりしてしまいました。やはり小さい像よりも大きい像の方がテンションが上がってしまいます!

檜の寄木造りで鎌倉時代前期の作と考えられているそうです。
写真は看板を撮影したもの。


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どちらかと言うと男性的なお顔立ちをしており、堂々とした出で立ちの千手観音さま。衣文の表現なども細かく、とても均整の取れた像でした。左右の脇手も当時のまま残っているそうですよ。

本当に美しい千手観音さまで、期待以上の出会いができて嬉しいと言うよりは驚きでした!

本尊の右脇には木造の釈迦如来さまがいらっしゃいます。像高145cmで寄木造、こちらは鎌倉時代後期の作と考えられています。凛々しいお顔の千手観音さまに比べると、やや表情が柔らかく穏やかさが感じられる像でした。

お隣の檜尾神社は県指定文化財に指定されており、古い趣のある本殿がひっそりと佇んでいました。

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《檜尾寺(檜尾寺文殊院)・檜尾神社アクセス》
住所:滋賀県甲賀郡甲南町池田43
TEL:0748-86-3765
甲賀駅徒歩10分
拝観料:志納

毎年正月3ケ日(1月1日~3日)・厄年祈祷(2月1日)・観音柴灯護摩(8月18日)の年5回、特別に公開される。





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プロフィール

こはた ももこ (桃)

Author:こはた ももこ (桃)
名前:桃

出身:横浜ベイベー

誕生日:11月30日

血液型:O型

所属:仏像部

仏像好が好きな旅人になりたい普通の人です。
大好きな仏像・寺社仏閣のことを素人目線であれこれ喋ります。

★ストイックに仏像 Facebookページ運営中
https://www.facebook.com/stoic.butsuzo/

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よろしくお願いします(^人^)

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